2021年度 基本方針

一般社団法人伊那青年会議所2021年度基本方針

変化と継承

はじめに

   1949年「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、青年達が立ち上がり、日本の青年会議所運動が始まりました。その運動は全国各地に広がり、明るい豊かな社会を築き上げるという同じ志を持った青年達が集い、社会的課題に取り組み続けてきました。伊那青年会議所(以下「伊那JC」)においても53年の歴史の中で、いつの時代もより良い社会や地域の実現を目指し、積極的に活動してきました。このように伊那JCの思いや伝統を託された私達の前に、昨年、新型コロナウイルス感染症というかつてない大きな壁が立ちはだかりました。地域の事を思い、議論を重ねてきた計画が実行に移せない。それどころか、いつも身近にいた仲間と会って話をすることさえできない。当たり前のように過ごしてきた日常が一変しました。新型コロナウイルス感染症はこの地に甚大な被害をもたらし、地域経済だけでなく未来を担う子ども達の生活にも大きな影響を与えました。これまでの常識が通じない、先も見えないというような 苦境に立たされた今こそ、我々伊那JCの真価が問われているのではないでしょうか。かつて、戦後の混沌としたなか青年 達 が立ち上がったように、今こそ我々 がリーダーシップを発揮し地域のために立ち上がる時です。

未来へ向けて多くの同志を

   我々伊那JCがこの先も地域に必要とされる団体であり続けるためには、多くの同志が必要不可欠です。全国的に見ても青年会議所の会員数の減少は喫緊の課題であり、何れの青年会議所も会員拡大活動を重要視して取り組んでいます。近年、伊那JCでは先輩方の功績により会員拡大に成功してきました。しかし、いつまでもその功績に甘えているわけにはいきません。昨今の社会情勢や新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みると、会員拡大活動が思うようにいかない事もあります。しかしながら、地域のことに対し真剣に取り組む人財の減少は、地域にとって負のスパイラルを生む要因になり得ます。我々の運動が地域にとって必要とされてきたことや、大きな影響を与えてきたことを思い返すと、このような時代だからこそ青年会議所運動を活発に行う必要があり、そのためには多くの同志を募って更に大きなうねりを生み出す必要があります。
   また、伊那JCにおいては女性の活躍も今後の発展の鍵であると考えます。日本の青年会議所全体の女性比率は約7%、現在の伊那JCにおいては4%です。世界の青年会議所においては約半数が女性であることを考えると、いかに女性比率が低いかがわかります。SDGsにおいても「ジェンダー平等の実現」は日本が世界から最も遅れている項目の一つです。今後の伊那JCの発展においては、女性目線の意見や考えが必要不可欠であります。仕事や家庭があっても、子育て中でも、社会貢献したい、成長したい、そのような女性がもっと活躍できる団体であるべきだと考えます。多様性を持った団体の中で、様々な価値観や考えに触れ、互いに切磋琢磨していく。そのように個々が成長していくことが、仕事や家庭、そして地域の発展に必ずつながっていきます。

時代の変化に対応した組織づくり

   私達は何のため、誰のために活動をしているのでしょうか。組織の根幹に立ち返り、共通の認識を深めていくことで、地域ニーズに即した運動を展開していく必要があります。ただし、私達がこの地域で如何に素晴らしい活動を展開していたとしても、それが地域の皆様に伝わらなければその活動の意義は薄れてしまいます。SNSなどのツールによってあらゆる情報が行き交う社会へと変遷を遂げて久しい昨今、情報発信の手段は確実に多くなりました。むしろ情報媒体が多くなり情報が氾濫し過ぎていることが、私達の活動を地域住民に伝達する障害となっているようにも感じます。そのような時代において広報手段を厳選して有効な広報活動を行うためには、地域からの共感を得る運動を展開し、精度の高い情報を迅速に発信する必要があります。それにより、私達の活動に対して共感の輪も広がるはずです。
   また、時代に合った組織運営も今後伊那JCが持続的に発展していくために必要です。規律を守ったうえで効率的な組織運営を目指し、多様性を受け入れる土壌を作っていきます。そして、伊那JCメンバー各自がライフワークバランスを意識し、家庭や仕事、JC活動を平行しながらも活躍できる組織にしていきます。今後、より家庭や地域からの理解を得ていくことが、さらなる伊那JCへの信頼につながっていくと考えます。

子ども達に挑戦する機会を

   いつの時代も子ども達の存在は希望の象徴であり、未来そのものだと思います。青少年の健全な育成を目指す活動は伊那JCにおける大きな柱の一つです。時代やライフスタイルの変化とともに子ども達を取り巻く環境は大きく変わりました。情報技術の進歩によって、体験せずとも容易に知識が手に入るようになりました。利便性や効率の面を考えるとその恩恵を否定することはできず、その流れに逆らうという選択肢は現実的ではありません。しかし、心と体の調和がとれた子ども達の健全な育成を考えると、そればかりに依存しすぎる状況は考慮しなければなりません。
   このような時代だからこそ、子ども達のチャレンジ精神や好奇心を刺激するような体験を我々が提供することに意義があります。ただし、このように子ども達のチャレンジ精神を応援したいという気持ちがありながらも、時に過保護になっていないかどうかも考える必要があります。昨今の傾向では、大人が先回りして危ないものをすべて排除し遠ざけます。もちろん、子どもを危険から守ることは必要です。しかし、それが過保護になってしまうことで、子どもの学びの機会や意欲を奪っていないでしょうか。傷つかないように、リスクをすべて排除したような環境で育つ子どもの将来はどのようになるのでしょうか。子ども達を信じて、チャレンジする姿を応援しましょう。子どもは頑張る姿を大人に褒められ、応援されることで自信を高めていきます。それにより自己肯定感も高まり、益々勇気をもってチャレンジしていくことでしょう。我々は子ども達に挑戦の機会を提供し、時
に距離を取り見守り、成長する姿を応援します。子ども達の成長が、我々の地域の明るい未来につながることは間違いありません。

まちの未来は自分達の手で

   まちづくりとは「地域において住民による自立的で継続的な改善運動」といわれています。ここで重要なことは、地域住民が主体となって創り育てるものであるということを地域住民自身が意識することではないかと考えます。伊那JCはこれまで明るい豊かな社会の実現を目指して、地域に新たな価値を生み出し、地域の魅力を発信する運動を展開してきました。地域の未来を見据えて行動し続けてきた伊那JCに寄せられる地域からの信頼は、我々の運動の大きな支えとなり、地域の更なる発展に寄与してきました。今後も時代が求める魅力を持ったまちづくりをするために、我々が率先して運動を展開するなかで、地域住民の共感とまちづくりへの関心を呼び起こし、自分達のまちは自分達で創るという主体性を持った考えを広げていくことが必要です。今まで以上に、行政や地元企業、団体との連携を強化して地域の課題を共有し、多角的な視点から私達の運動の幅を広げていきます。そして私達のまちづくりにかける熱い思いを地域に伝播させていきます。その思いや行動が地域住民の意識変革を導き、まちに継続的な発展をもたらすはずです。我々が育ってきたこの大切な地域を、さらに活力溢れる地域にしていきましょう。

最後に

   私達はこの地域やJCの仲間が好きです。この環境に感謝しています。先輩方から受け継いだこの伊那JCの伝統や地域に対する思いは必ず次の世代へと受け継いでいきます。伝統を継承するということは、ただ延々と踏襲するのではなく、大事なものを守るために変化していくことです。いつの時代も、どのようにして伝統を守るか、どのようにして時代に合わせ変化していくのかを選択してきました。伝統を継承しながらもこの激動の時代に対応し、明るい豊かな社会実現のために伊那JCメンバーが総力を結集して全力で邁進してまいります。